ちょうど一年前、バングラデシュの難民キャンプにはじめての支援をしました。
その時は何もかも初めてで、わからないことだらけ。手数料1000円で、バングラデシュのどの銀行でも3分でお金が届くことを知り、驚いたのを覚えています。
今回の支援は、今までで一番悩んだかもしれません。
現地からの要望は、「学校の子どもたちが使うスクールバッグを支援してほしい」でした。
「え、スクールバッグ?」と思ったのが最初のリアクションでした。
学校の床の修理は無事終わり、PCでの授業をしているところも動画で届きました。確かにバッグはないけれど、それよりも、子どもたちの寒さ対策の方が必要なのではないか、と考えたのです。
スクールバッグが、本当に今必要な「もの」なのだろうか。この活動は、「現地の子どもたちに生きる希望を届けたい」という思いで始めた活動です。バッグが、本当に、難民キャンプの子どもたちにとって、希望を持つことにつながるのか。私たちは、現地の先生にも相談してみました。
どうやら、ほかの大きな団体が支援している現地の学校の子どもたちは、みな同じスクールバッグ(リュックサック)を背負っているとのこと。
ミャンマーでの学校生活を覚えていえる子供たちのとっては特に、それがとても羨ましいとのことでした。バッグがなくて、本をじかに抱えて登校している子どもたちの写真も現地からたくさん届きました。
そして、私たちは、今回スクールバッグを支援することにしました。
現地からは、バッグを配布してもらって嬉しそうな子どもたちの写真が、ありがとう、のメッセージと共に届きました。
今回の支援には、とても考えさせられました。
難民キャンプの中にも、バッグを背負って通学できる子とそうでない子がいる。
そこには格差がうまれる。
今回のバッグの支援。ほかの学校へ通う子どもたちは、新しいリュックサックを背負って通学する子どもたちを見て、羨ましいと思うだろう。
そしてその子たちには、バッグは届かない。
伊藤大使が以前、「難民キャンプ全体へ平等に支援をしている、大きな団体への寄付も今後は検討してほしい」とおっしゃったのを思い出しました。
「支援によって、現地に格差を生むことだけには気を付けて」と最初にアドバイスをくださった「世界の医療団」の中嶋さんの言葉も。
今回の支援で、最初に決めた4回の支援はすべて終了です。
ここまで、問題なく支援活動が進められたのも、いろいろな方のアドバイスや、現地でのカウンターパートナーの頑張りのおかげです。周りの方々には心から、感謝しています。
ここから、まだ少し残っている支援金をどのように使っていくか、また相談しながら進めたいと思っています。
支援したPCで勉強する様子
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